丹波チーズ工房のBlog

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チーズに穴ができる理由

おなじみエメンタールチーズの"穴"が消えゆく理由とは? | FRANCE 365 ...

そういえば今年(2020)の干支はネズミですね🐭

ネズミといえばチーズ。それもボコボコに穴の開いたチーズを連想しますよね。

 

この穴あきチーズ、名前をエメンタールチーズ」といいます。

そしてこのチーズの穴にも名前がついていまして、「チーズアイ(眼)」と呼ばれています。 

 

今回はこのチーズアイができる理由を、チーズ職人の目線から紹介したいと思います。

エメンタールとは

スイスのベルン近郊の山間地、エメンタール地方が発祥です。

スイスの中でも美しい自然があると言われている土地らしく、地図を見ると確かにめちゃくちゃ田舎っぽい(^^♪

 

チーズの歴史は5000年ほどあると言われていますが、

エメンタールは意外と歴史が浅く、15世紀ごろから作られています。

 

大きさが100キロにもなる巨大なチーズで、

エメンタール1個を作るのに牛乳約1000Lが必要になるのです( ゚Д゚)!!

スイスの人はめんどくさがり屋なんでしょうか?(笑)

 

エメンタールはクセのないマイルドな味わいなので、おつまみに食べるというより、

チーズフォンデュにしたり、グラタンやキッシュなどの加熱料理として食べるのがお勧めです。

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穴を作るプロピオン酸菌

さて、いよいよチーズアイができる理由なんですが、

これはプロピオン酸菌という微生物の働きによるものです。

 

プロピオン酸菌とは、主にエメンタールチーズだけに使用される微生物で、

チーズの中の乳酸を分解してプロピオン酸、酢酸、二酸化炭素、水を作り出します

乳酸は乳酸菌によって作られているので、共生関係にあるといってもいいでしょう。

 

このうちプロピオン酸と酢酸はエメンタールチーズ特有のナッツのような香りを作り出しているといわれています。

そして二酸化炭素。これこそがチーズアイの正体です。

チーズが熟成している間に、炭酸ガスが発生し、それが固まっているのです。

たくさんの穴があき、通常2〜3センチくらいの穴になります。

次の項目で特徴的な作り方を紹介します。

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エメンタールの2段階熟成

たいていのチーズは同じ環境で熟成させます。

例えばゴーダチーズは、温度12℃、湿度85%程度の場所で、出荷するまでずーっと同じように熟成します。

青かびチーズでは、温度10℃、湿度90%以上で3ヶ月熟成します。

 

しかし、エメンタールチーズの製造法の特異点は、熟成を2段階に大きく分ける点にあります

1次熟成は20℃~25℃、湿度80~85%で3~8週間です。

この間、乳酸菌を分解したプロピオン酸菌が大活躍し、チーズアイが作られ、チーズの表面がポコッと膨らんでくるのです。

ある程度のふくらみを確認したところで、2次熟成に移ります。

7℃、湿度80~85%で3か月以上です。

この間は、温度を下げることでプロピオン酸菌の働きを抑え、

風味の醸成や乳酸菌によるタンパク質分解(うま味の生成)を進める効果があります。

 

1次熟成のふくらみを見逃してしまうと、

炭酸ガスの出過ぎで、チーズがパックリ割れてしますこともあるそうです。

また、見た目だけの問題ですが、綺麗に整った穴を作るのはかなり難しいようです。

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この熟成に関しては、私も聞きかじりや文献の受け売りなので、

一度ちゃんとエメンタールチーズを作ってみたいですね( *´艸`)

 

チーズアイはゴーダにも!?

我が家のゴーダチーズには、チーズアイがあります。

プロピオン酸菌は添加していませんが、

実は乳酸菌にも多少の炭酸ガスを作りだす働きがあるのです。

もしかすると自然に入ったプロピオン酸菌の可能性も考えられるんですが、おそらく乳酸菌の働きが大きいのではと私は思っています。

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エメンタールのような大きい穴にはならず、5ミリ程度の丸い穴があります。

ゴーダチーズは、穴を作ろうとしてやっているわけではないので、

穴があったら、「アイだ!ラッキー!」くらいに感じていただければ(笑)

 

おわりに…青かびゴーダチーズ?

チーズには今日紹介したプロピオン酸菌や、乳酸菌、酵母、カビなど、いろんな微生物が働いています。

最近お客さんから、「ゴーダチーズから青かびの匂いがしたのはなんで?」

と質問がありました。

以前の記事にも少し書いていたのですが、ゴーダをより自然な方法で熟成しているため、表面の皮部分には青かびや酵母など様々な微生物が住んでいるのです。

熟成庫の空気をまとった特徴的な皮ですので、あえて少し残した形で包装もしていますが、食べても全く問題はありません

見るからに青かびがモコモコ生えてきた場合や、クセのある香りが気になる際は取り除いていただいたほうがいいですね。

 

チーズがすぐにカビちゃう!などの失敗経験のある方は、正しい保存方法をこちらでまとめていますので、お時間あれば読んでくださいね!

 

今回もお読みいただきありがとうございました(^^)/

 

 

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