丹波チーズ工房のBlog

大切なひととのおいしい時間を、丹波から

ラップサイレージの作り方

婦木農場ではジャージー牛を飼っています。

 

与えるエサは、輸入飼料だけではなく、

自分たちの田畑で作る「自給飼料」づくりにも取り組んでいます。

その理由は、以前の記事をご参照ください。 

今回は、その自給飼料のひとつである

牧草の「ラップサイレージ」についてお話してみます。

 

サイレージとは

先日、YouTubeに動画を上げました。

全体像が良くわかりますので、まずはこちらをご覧ください!


【丹波婦木農場】ラップサイレージの作り方

サイレージとは、家畜飼料の一種で、トウモロコシや牧草を発酵させ、長期保存できるようにしたエサのことを言います。

簡単に言うと、牧草のお漬物ですね。

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トウモロコシのサイレージは写真のような感じです( ゚Д゚)

 

サイレージができる仕組み

青草やトウモロコシなどを刈り取ってそのままおいておくと、様々な菌や微生物によって分解され、腐敗してしまいます。

しかし、サイレージとしてラップにくるんだりすることで、空気の無いところでも働ける(嫌気性)乳酸菌が活発になり、乳酸や酢酸が作り出されます。

これにより、腐敗菌などの活動が抑制され、作物は腐敗することなく、牛たちの喜ぶ餌として長期保存できるようになるのです(^^)/

 

ポイントはとにかく「空気に触れないよう密閉する」ということです。

下図のように作り方もいろいろあるのです。

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北海道の牧場のイメージとして、牧場の隣に立つ塔のような建物を見たことはないでしょうか?

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これはタワーサイロ(塔型サイロ)といい、トウモロコシなどの作物をサイレージとして保存しておく施設なんです。

管理が大変なので、今ではほとんど利用されていません。

 

サイレージの種類

たくさんありますが、大きく3種類ご紹介します。

①コーンサイレージ

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トウモロコシのサイレージで、日本全国で利用されています。

婦木農場でも10年前までは、畑にデントコーンという飼料用トウモロコシを栽培し、夏のクソ暑い時期に、家族総出で刈り取り、細かく砕きながら、牛舎の横にあったサイロの中に詰め込んでいました。

細かいゴミや虫がいっぱいでるので、あまりいい思い出はありません(笑)

 

②牧草サイレージ

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イネ科やマメ科の飼料用牧草を、ある程度の水分量に乾燥調製してサイレージを作ります。

婦木農場では昔からイタリアンライグラスというイネ科牧草を利用しています。

イタリアンは軟らかくて牛が食べやすいですし、再生能力も強く、年に最低2回は刈取りできます。雪が降らなければ、越冬して元気に育ってくれるという頼もしさもあります( *´艸`)

 

③飼料稲サイレージ(ホールクロップサイレージ)
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稲作の転作作物として10年ほど前から急激に増えてきたのがこれです。

飼料稲をお米もついたまま丸ごとサイレージ化したものです。

婦木農場でもここ数年、試験的に利用しています。

専用の大型機械が必要で、業者さんにやっていただけるので作るのは楽なんですが、

エサをやるときには、なにしろデカいので一人では動かず、3人くらいで玉ころがしのように動かしています(笑)

 

ラップサイレージ作りのポイント

イタリアンライグラスのラップサイレージの解説です。ラップの色はグリーンやホワイトが主流です

5年ほど毎年作っている中で、作り方のポイントがかなりわかってきました。

大きく2つあります。

 

①水分量

牧草は、刈り取ってから機械で反転を繰り返して乾燥させていくのですが、

私の感覚的には「かなり乾燥したな~」というぐらいがちょうどいいです。

数字的には50%くらいでしょうか?握って水気を感じるのはちょっと水分高いかもしれません。

ラップして密閉すると、閉じ込められたわずかな水分で十分発酵が進むので、問題はありません。

 

以前、水分多め(70%くらい?)でラップしたところ、秋ごろにはラップの中で発酵が進み過ぎて、黒くて臭いサイレージになったことがあり、捨てるのも一苦労でした。

長期保存するなら「乾燥気味」のほうが長持ちします。

あと何より軽いです。婦木農場では手作業なので、水分たっぷりで重いサイレージは腰が痛くなるので嫌なんです(笑)

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②保管場所

北海道などで作られる巨大なサイレージは問題ないと思いますが、婦木農場のような小さいサイレージは少しでも穴が開くと、一本丸ごと腐ってしまいます。

以前は野外で保管していたのですが、カラスにつつかれたり、雨風によって破れてしまったりということが頻発していたんです。

そこで、数年前から遮光ハウスの空きスペースに並べるようになりました。

夏の暑さは遮光ビニールと換気をしっかりすることによって何とかしのいでいます。

サイレージの仕組みを理解し、発酵しやすい環境づくりをする、という部分は、チーズ作りとも共通することですね(^^)/

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おわりに

ラップサイレージの仕組みや作り方のポイントを、少しでも知っていただけましたでしょうか?

 

以前からチーズを作る人たちの間では、

「サイレージは、チーズ作りに悪影響があるからやめたほうがいい」

と言われることがあります。

何やらサイレージにつく酪酸菌が牛乳に入ると悪さをする、ということらしいです。

 

しかし私は、いいサイレージを作れば、いい菌が優勢になって

悪いことをする菌は働けなくなると考えています。

チーズも同じで、乳酸菌がしっかり働けば、㏗もしっかり下がって、

悪い菌が働けなくなり、熟成期間もいい菌が優位になり、おいしくなるんです。

現に当工房では、酪酸菌でチーズが腐ったりしたこともありません。 

 

ぜひ実際のサイレージの匂いを嗅いでみて欲しいです。

人間でも「いい匂い」と思えるような甘い匂いがするんですよ!

牛たちが喜んで食べているのですから、間違いありません(^^)/

 

いいエサ作りは、美味しいチーズにつながっていると信じて、これからも頑張っていきます。

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